仏壇・仏具の豆知識

位牌の役割と基礎知識・国産位牌の魅力を紹介

ここでは「位牌(いはい)」についての基礎知識、種類や大きさ、選び方や祀り方、処分方法などを詳しく紹介し、国産位牌の魅力についても触れていきます。

位牌の役割と基礎知識・国産位牌の魅力を紹介

ここでは「位牌(いはい)」についての基礎知識、種類や大きさ、選び方や祀り方、

処分方法などを詳しく紹介し、国産位牌の魅力についても触れていきます。

 

位牌は日常生活において触れる機会が少ない方も多いのではないでしょうか。

 

実家の仏壇に置かれている位牌を目にすることはあるかと思いますが、

位牌はただの飾りではなくご先祖様を供養するため必要なものなのです。

 

中には位牌の知識が全く無い方がおられるかもしれませんが、こちらをご覧いただくことで基礎的な知識を得ることができます。

位牌の基礎知識

まずは位牌についての基礎知識です。

位牌というのは故人の戒名や法明、亡くなった年月日(没年月日という)を

記入した木の札で、故人の魂(霊魂)を仮に宿す場所とするもののことです。

 

葬儀が終わってから四十九日法要までに祀る位牌を「白木位牌」といい、

その後は「本位牌」に変える決まりがあります。

 

この時、白木位牌から本位牌へ故人への魂の入れ替えを行います。

 

白木位牌は葬儀の時に使われる位牌で、四十九日の法要まで「中陰壇(ちゅういんだん)」

という祭壇にご遺骨とともに仮安置しておくものです。

 

仏壇などに祀る(まつる)正式な位牌(本位牌)は四十九日の忌明け(いみあけ)までに

準備しておく必要があるので覚えておきましょう。

 

位牌の設置場所は自宅にある仏壇の中に安置するのが一般的に多いですが、

仏壇が用意できない場合はお寺に安置することも可能です。

 

お寺に安置する位牌は「寺位牌(てらいはい)」といい、自宅に安置する本位牌よりも

大きいサイズで、永代供養(えいたいくよう)してもらうことができます。

 

永代供養とは自分より後に後継者がいない場合には納骨堂や墓地を継承することが

できないので、一定期間寺院が代わりに供養を行うというもの。

 

少子化がますます顕著化してくるこれからの時代、この永代供養を選択する人は

年々増えてくると予想されます。

 

位牌の役割については下記の「位牌とお仏壇の関係」にて解説します。

 

位牌とお仏壇の関係

仏壇に位牌はいらないのでは?と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、

実は仏壇と位牌は切っても切れない関係性があります。

 

仏壇はご先祖様や故人にとって家の役割となり、仏壇を設置することで自宅に小さめの

お寺を祀り、そこにご先祖様や故人を供養する場所を設けることができるというわけです。

 

位牌には故人の霊魂を宿す※「依代(よりしろ)」の役割があり、位牌は家(仏壇)の場所を

示す目印のような役割となります。※依代とは神霊が「依り憑く(よりつく)」対象物のこと。

 

日本では古くから樹木には神霊が宿るという習わしがあり、そのことが理由で位牌は木で

作られているものが多いです。

 

仏教において位牌は先祖を供養する役割がありますが、仏壇の前で述べた感謝の気持ちは

位牌を通じてご先祖様や故人に届くとされています。

 

以上のように、位牌が無ければ遺族の呼びかけに故人やご先祖様が応えてくれたり自宅に

帰って来ることが出来なくなったりします。

 

位牌は仏壇に置く単なるお飾りでなどではなく、現世に住む人と故人やご先祖様との

語り合いをする懸け橋となる大事な品物なのです。

 

位牌はお墓と同じくらいに欠かせない存在となっています。

 

位牌分けとは 

位牌には「位牌分け(いはいわけ)」という習慣があります。

基本的に一人の故人に対して1体(1柱)ですが、位牌分けとは1つの位牌を複数の

ご家庭でお祀りするために複数の位牌を作成することです。(同じ故人の位牌を複数の人が持つ)

 

位牌の数を数える時の単位は「柱(はしら)」が使われ、1柱、2柱と数えます。

 

位牌分けには以下のような目的があります。

 

  • 位牌がある実家への帰省が困難なため、自宅で手軽に供養したい
  • 親の位牌を心の支えとして身近に欲しい
  • 分家であるが子供として親の供養をしたい

 

これらは一例ですが、身内の故人への供養を行いたいという気持ちはみな同じで、

それを実現するために位牌分けします。

 

そして位牌分けは以下のような制限をされることなく自由に行うことができます。

 

  • 1人の故人に対して複数の位牌を作ることができる
  • 性別を問わず位牌を祀ることができる
  • 年長年少を問わず位牌を祀ることができる
  • 実子や養子の区別なく、分家であっても位牌を祀ることができる

 

注意点として、未婚者には位牌分けの資格はありませんので覚えておきましょう。

 

また、「位牌を分けて罰が当たらないのか?」と心配する方がいらっしゃるかもしれませんが問題ありません。

 

位牌分けの慣習は宗派や地域によって異なる 

位牌分けの慣習は中部地方(山梨県、静岡県、長野県など)と関東地域の一部(栃木・茨城)

で古くから行われているものですが、現代では自宅でも手軽に故人を偲びたいという気持ち

から地域を問わずに行われるようになりました。

 

これらの地域では以下のような習慣があります。

  • 位牌を受け取る人が各々で帳場を立てる
  • 葬儀費用は分担する
  • 念仏は7日ごとに交代しながら行う

位牌分けを行ってよいかどうかは宗教や宗派によって異なり、浄土真宗ではそもそも位牌を

作らないので必要がありません。

 

位牌分けを行う前にはご実家の宗派を調べ、関わる親族を交えてよく相談したうえで慎重に行いましょう。

 

位牌分けには細かいルールがあるので、必要に応じて僧侶に確認することも必要かと思います。

 

自分だけの判断で勝手に始めてしまうと親族間でのトラブルになる可能性がありますので注意が必要です。

 

例えば結婚している女性が位牌分けを行う場合、自分の実家と嫁ぎ先の宗派が異なることで

親族間のトラブルになるケースが挙げられます。

 

位牌分けの手順・方法・費用

位牌分けの手順をあらかじめ把握することで迷うことなく行えるので覚えておきましょう。

 

1.位牌分けする位牌を用意する

葬儀後から四十九日の法要までは「白木位牌」を祀り、法要が終わった後で本位牌に

変えるので、タイミング的にこの時に作るのが良いでしょう。

 

本位牌の製作には故人の戒名、没年月日、俗名、享年などを文字入れするのですが、

通常は1週間から2週間前後ほどかかるので早めに準備しておきます。

 

万が一、本位牌の準備が四十九日の法要までに間に合わない場合は後からでも構いませんが、

後に解説する「開眼供養(かいげんくよう)」は忘れずに行ってください。

 

位牌の値段は10,000円~100,000円くらいで、文字の加工料金は3,000円~10,000円くらいが

相場ですが、位牌の材質などによって大きく変わります。(1柱あたりの目安です)

 

位牌の作成は仏壇店に自分で依頼する方が大半です。

 

その際に位牌のサイズやデザインなどを決めることになりますが、費用の支払いは誰がするのか

なども含めて親族間でよく話し合って決めましょう。

 

2.白木位牌の魂抜き「閉眼供養(へいがんくよう)」を行う

次に白木位牌の閉眼供養を行いますが、これは仮の位牌である白木位牌に入っている故人の魂

を抜くことを意味します。

 

魂を抜いた位牌はお焚き上げをするか位牌を購入した仏壇店などに引き取ってもらいましょう。

 

閉眼供養は別の言い方で「魂抜き」という言い方もされますが、これは開眼供養の前準備となります。

 

3.作成した本位牌に「開眼供養(かいげんくよう)」を行う

閉眼供養後、作成した複数の本位牌に開眼供養を行います。

これは魂の入っていない本位牌に魂を宿す行いで、作成したすべての本位牌に行っていきます。

開眼供養は別名「魂入れ」とも呼ばれ、四十九日の法要の時に仏壇が設置してある場所(主に自宅)か寺院で行います。

 

4.位牌を仏壇に安置する

開眼供養を終えた位牌を自宅に持ち帰って仏壇に安置して供養します。

仏壇がある場合は仏壇に安置しますが、仏壇が無い場合の位牌の安置場所に決まりは

ありません。(仏壇が無い場合の適切な安置場所は後ほど紹介します)

 

仏壇を用意する予定が無い場合は宗派のお寺に相談してみても良いと思います。

 

必ずしも仏壇が必要だとは考えていない僧侶もいるようですが、共通して大事なのは

「故人を偲んで供養する気持ち」だということです。

 

位牌の種類と値段

位牌にはいくつかの種類があります。

単純にデザインだけでなく、使用用途が決まっている専用の位牌があるので購入時には注意が必要です。

 

順番に見ていきましょう。

1.唐木位牌(からきいはい)

唐木位牌は黒檀(こくたん)や紫檀(したん)、欅(けやき)などの高級な天然木材を使い、きれいな木目が特徴の位牌です。

 

高級感がありデザイン性に優れているので、見た目を重視する方に好まれます。

 

2.天然木位牌(てんねんもくいはい)

その名の通り、天然木を使用して作られた位牌で、素材を生かした温かみのあるシンプルなデザインが特徴の位牌です。

 

使われる木材は「ウォールナット」・「かえで」などがありますが、使用される木材の種類に

よって色味に違いが生まれます。

 

木目が自然で色が薄めなので、優しい風合いで明るい色がお好みの方に選ばれる位牌となっています。

 

また、他の位牌と比べると重厚感があまり無いので、お子様の位牌として選択される方が多いようです。

 

3.漆が塗られた塗位牌(ぬりいはい)

本来、塗位牌は「ひのき」や「ヒバ」などの木材に漆を塗った黒塗りの位牌のことを指します。

 

「塗り」と「磨き」というという工程を施しこの工程の回数が多い位牌ほど高価になりますが、

「普通仕上げ」、「上塗り仕上げ」、「呂色仕上げ」の順に価格が上がっていきます。

 

各仕上げの説明は以下のとおり。

①普通塗り仕上げ

塗りと磨きの回数が一番少ないので価格が抑えられており、お求めやすい位牌をお探しの方に

おすすめです。見た目は艶消しのマットなデザインとなっていて控えめな印象があります。

 

②上塗り仕上げ

普通塗りと比べると見た目の印象が大きく変わり、工程が増えている分手間がかかっているの

で価格は上がりますがとてもきれいな印象です。

熟練の職人の手作業により表面に艶を出すことで質感が上がりとてもきれいな仕上がりとなっています。

 

③呂色仕上げ

「塗り」「磨き」「仕上げ」などの工程をすべて熟練の職人により10回ほど繰り返すことで

とても強い輝きを放つ仕上がりとなっています。

光の反射具合も上塗り仕上げよりも更にきめ細かく最上級の質感を感じることができ、

見た目も価格も最高級の位牌となります。

塗位牌の中で最も上質な位牌をお求めの方におすすめです。

以上のように、塗位牌は総じて黒塗りで重厚感があり、本格的な位牌を好む方にも好まれ

一般的にも広く使われている位牌です。

しかし近年では技術が進歩し、漆以外にもさまざまな塗料や塗装を施して漆に似た質感を

表現できるようになりました。

現在では表面を塗料で塗装加工した位牌を総じて「塗位牌」と呼ばれるようになっています。

 

国産位牌の長所と魅力

塗位牌の中には国産位牌である「会津位牌」・「高野位牌」・「輪島塗位牌」の3つがあり、

どれも高品質でそれぞれに魅力と長所がたくさんあります。

 

順番に紹介します。

1.会津位牌(あいづいはい)

800年の歴史がある会津塗りの位牌で艶がありとても高品質です。

値段の相場は2万円~20万円前後のものまでいろいろありますが、安価なものでも安っぽさは

感じなく満足できる仕上がりとなっています。

 

2.高野位牌(こうやいはい)

高野位牌は和歌山県で作られる位牌で、始まりは仏教の聖地と言われている「高野山」へ納める

ことを目的に作られるようになった位牌です。

高野位牌は大量生産せずに蒔絵師、木地師、箔押師、塗師などの匠が気持ちを込めて

ひとつひとつ手作業で丁寧に作っています。

純国産の品質にこだわって作られており、値段の相場は4万円~20万円前後と全体的に

高価となっていますが品質には申し分ありません。

高野位牌は高級位牌として名高く、徳川家や天皇家の位牌もこの高野位牌で作られたという

古くからの歴史があります。

 

3.輪島塗位牌

輪島塗位牌は本位牌の中でも「一番美しい」とも言われている位牌で、日本の伝統工芸と

なっている輪島塗で作られています。

輪島塗とは、始まりは桃山時代~江戸時代からとも言われている石川県の輪島市が発祥の

漆塗りの製法名です。

1975年に国から伝統工芸品と指定され、高級な漆器と認められたことで全国に広まりました。

輪島塗の特徴は輪島市でしか採取できない「地の粉山」という名の良質な土を使用することで

堅くて丈夫な仕上がりになる点です。

輪島塗は装飾が魅力的で、絵を掘った溝に金を入れたり漆で描いた絵の上に金や銀の粉を

振りかけたりすることで美しく上質な仕上がりとなります。

すべて職人による手作りで、100を超えるとも言われている工程をそれぞれ担当の職人が分業して作っています。

上記で説明した通り輪島塗は丈夫ですし、漆を使っていることで菌や虫からのダメージに強く

何十年も綺麗な状態を保つことができます。

高い技術力を生かした輪島塗は漆器以外でもいろいろな高級品に使用され重宝されています。

価格は比較的リーズナブルなものから20万円を超える高級なものもあります。

輪島塗位牌は購入後に傷がついたり塗りが剝げたりするなど、破損してしまった場合は修理する

ことができますので、販売店に相談しましょう。

修理に出す前には必ず魂抜き「閉眼供養(へいがんくよう)」を行い、修理から帰ってきた際に

は魂入れ「開眼供養(かいげんくよう)」を行ってから仏壇に戻すという手順を忘れないでください。

このように、修理にはお金と時間と手間がかかるので、位牌は丁寧に扱って破損させないように注意しましょう。

 

4.モダン位牌

近年では位牌も進化しており、リビングに安置する「リビング位牌」や「家具調位牌」、

「インテリア位牌」などという呼び方もされており、それらを総称して「モダン位牌」と呼ばれるようになりました。

モダン位牌はこれまでに紹介したものよりも現代的なデザインでおしゃれな位牌となっています。

色や形、素材に至るまでさまざまでガラスやクリスタルで作られたものもありますが、

天然木を使用したものが多いです。

一見すると「これは位牌なの?」と思えるようなオシャレなものもあります。

昔では考えられないような現代風なデザインのものが多種多様にあるので、ひと味違った

位牌を求めている方におすすめです。

値段の相場は安いものだと1万円から10万円以下で購入できるものが多く、比較的お求め

やすくなっています。

 

5.繰り出し位牌「回出位牌(くりだしいはい)」

繰り出し位牌はご先祖様の位牌が増えてきた時に、複数の位牌をまとめて安置するための位牌です。

繰り出し位牌の中には「〇家先祖代々之霊位」と記された札板と戒名が書かれた札板を数枚

納めることができるのですが、板札は命日の順に並べて重ねて中に入れておきます。

一番手前の故人の命日が来た時にその故人を供養し、命日が過ぎた時には一番後ろに移動させて

次の命日を迎える故人の板札が手前に来るようにしておきます。

そうすることで命日順を間違えることなく順番に供養することができる仕組みです。

基本的に一番初めに位牌を作る時に選ぶ位牌ではないのですが、地域によっては初めから

繰り出し位牌を使う場合があります。

値段の相場は3万円から10万円ほどで購入でき、繰り出し位牌は形やデザインが豊富で

木札の収納方法もさまざまです。(弊社では、すべて純国産商品のみを取り扱っております)

収納方法は上部が蓋のようになっていて上から札板を出し入れものや、正面が観音開きに

なっていてそこから出し入れするタイプなどがあります。

 

6.生前位牌「逆修位牌(ぎゃくしゅいはい)」

位牌は亡くなった後に作るイメージがあるかもしれませんが、生前に作っておくことも可能です。

生前位牌というのは字のごとく生前に作られる位牌のことで、逆修位牌(ぎゃくしゅいはい)とも呼ばれています。

逆修というのは「自分の死後のために生前に自分で供養を行うこと」で、逆修は仏さまになる

ための良い行い(功徳)であると言われています。

注意点として、逆修位牌を作るにはお寺にて授戒会(じゅかいえ)という儀式を行い戒名を

受ける必要がありますのでお寺の僧侶に相談しましょう。

授戒会は正式に仏様のお弟子になるための儀式で、これを行うことで徳を積むことができるということです。

逆に死後に子孫によって行ってもらう供養の事を「順修(じゅんしゅ)」や「追善供養(ついぜんくよう)」と言います。

 

 

宗派による位牌の違い

位牌を選ぶ際の色や形に関しては宗派ごとによる決まりはありませんので気にしなくても良いでしょう。

一方で位牌に入れる戒名の文字に関してはルールがある場合が多く、宗派によって違いがあるので仏具店にて用談してみましょう。

宗派によって異なりますが、戒名の前後には何らかの文字が刻印されています。

 

1.真言宗(しんごんしゅう)

真言宗は戒名の上に「阿」の文字が入り、大日如来(だいにちにょらい)と呼ばれる仏様を表します。

 

2.浄土宗(じょうどしゅう)

浄土宗であれば戒名の上にサンスクリット語の梵字が入ります。

記号のように見えますが、読み方は「キリーク」で阿弥陀如来(あみだにょらい)と言われる仏様を表しています。

 

3.浄土真宗(じょうどしんしゅう)

浄土真宗では、亡くなった後はすぐに仏となってこの世から霊魂が離れるとされています。そのためご位牌を作られない地域もあります。(こちらは菩提寺のご住職にご相談をされると安心です)

 

4.日蓮宗(にちれんしゅう)

日蓮宗では戒名のことを「法号」と呼ぶ慣習があり、法号の上には「妙法」という文字が入ります。

 

 

位牌の大きさ

位牌はいくつかの大きさがあり、単位は「寸(すん)」で札寸と呼ばれる文字を彫る部分のサイズで表します。

 

1寸=3㎝なので4寸だと12㎝となりますが、4寸(19.5㎝)がちょうど真ん中の大きさで、

一番小さいのは3寸(15.0㎝)、一番大きい物で5寸(23.4㎝)となります。

 

札寸の高さと土台部分の高さを加えることで位牌の一番下から一番上までの全長となります

ので、札寸と全長を勘違いして注文しないようにしましょう。

 

仏壇の大きさと位牌の大きさのバランスを考えてサイズ選びをするのが良いと思いますが、

元から位牌がある場合はその位牌と同じ大きさか少し小さいサイズを選ぶのが一般的です。

 

位牌の刻印する年齢表記について

位牌には亡くなった歳を刻印しますが、「享年〇〇歳」のように歳の数字の上に「享年」

または「行年」の文字が入ります。

 

この「享年」と「行年」では年の数え方が異なり、享年は母親のお腹の中にいる期間も

含めた「数え年」で、行年は生まれてから経た「満年齢」と考える場合が多いです。

 

どちらにするのが良いのか?ということですが、これはお寺や地域によって異なり明確な

答えが無いのが現状です。

 

迷った場合ですが、すでに祀られているご先祖様の位牌の表記と同じにするか、お寺の僧侶に

相談するのが良いと思います。

 

基本的には白木位牌の表記のとおりに作成することになるので、あまり気にする必要はないかもしれん。

 

 

位牌(本位牌)の作成方法

ここまで位牌について詳しく紹介してきました。

それでは、実際に位牌(本位牌)が必要となった時にどのような流れで作っていけばよいのか、

これまでに紹介した事を参考に手順をみていきましょう。

 

1.白木位牌を作る

まずは白木位牌を作ります。

白木位牌は住職によって戒名が書かれた白木の位牌のことで、四十九日の法要まで祭壇に祀る仮の位牌です。

白木位牌の用意は葬儀会社か寺院が行ってくれますので安心してください。

 

2.仏壇に祀る本位牌を作成する

本位牌は仏壇に祀るので、四十九日の忌明けまでに準備しなければいけません。

本位牌作成までの手順は以下のとおりです。

  • 位牌のサイズを決める
  • デザインを決めて仏壇店に注文する(刻印する文字も決める)
  • 作成した本位牌に開眼供養を行う

①位牌のサイズを決める

仏壇や位牌がすでにある場合はそれに合わせて、新たに作成する本位牌のサイズを決めましょう。

位牌は仏壇の大きさに合わせてバランス良く祀れる大きさが良いです。

②デザインを決めて仏壇店に注文する

大きさを決めた後はデザインを決めましょう。

近年では位牌の材質や形、デザインなど多種多様な位牌がたくさん作られていますし、

値段もピンキリなので予算に合わせてじっくり選ぶのが良いと思います。

故人のイメージや好みの色などがあれば、それらも考慮するのが良いでしょう。

位牌に記載する文字入れは2週間ほどかかる場合があるので、購入する仏壇店に相談しながら

四十九日法要や納骨に間に合うように余裕を持って注文しましょう。

③作成した本位牌に開眼供養を行う

白木位牌に魂抜きを行った後、本位牌に開眼供養を行い完了です。(白木位牌から本位牌へ魂を移動させる)

魂を抜いた白木位牌はお焚き上げなどで供養してもらいましょう。

 

3.位牌を仏壇に祀って供養する

仏壇に位牌を祀る場合は「本尊(ほんぞん)」を仏壇の一番上に祀り、その一段下に故人の

位牌を祀るのが基本です。

四十九日法要までに本位牌と仏壇の両方を準備する必要がありますが、事情により仏壇の準備

が間に合わないこともあると思います。

そのような時には仏壇の準備ができるまでの間、ひとまず供養する場所を仮に設けておきましょう。

 

 

仏壇を置く場所が無いor置きたくない場合

例えばマンションなどでは大きな仏壇を置くスペースが確保できなかったり、

部屋の雰囲気と仏壇のデザインが合わなくて仏壇を置きたくなかったりという

ケースが多いでしょう。

 

仏壇は大きくて重いイメージがあるかもしれませんが、近年では小型で軽量な仏壇が増えています。

 

仏壇のデザインに関してはオシャレな仏壇が多くなってきていますので、モダンな雰囲気の

部屋でも設置しやすくなっています。

 

それでも「仏壇は置きたくない」という場合は無理に用意する必要はありませんが、

その場合は「どこに位牌を置くのか?」という疑問が出てくるかと思います。

 

位牌を祀る場所には適している場所と適していない場所がありますので下記をご覧いただき

参考にしてください。

 

位牌を祀るのに適している場所

位牌の材質が木製である場合は高温多湿を避け、なるべく外部からの影響や刺激が少ない

場所が適しています。

 

また、ご家族が気軽にご先祖様に供養ができるように、なるべく家族が集まりやすい場所が

良いです。

 

1.居間やリビング

リビングは揃って食事をするなど家族が集まりやすい場所なので、位牌を祀る場所としては最高の場所です。

ご先祖様も家族の元気な姿を見守ることができるので最適かと思いますが、リビングの中でも冷暖房器具の熱や風が直接位牌に当たらないような場所を選んでください。

位牌に直射日光や冷暖房の風が当たると位牌が痛みます。

 

2.和室

和室は位牌の持つ雰囲気ととても合いますので、祀る場所としておすすめです。

仏間や床の間がある場合はそこが良いですが、供養するときに目線が低くなり過ぎないように棚などの上に祀って位牌の高さを調整するのが良いです。

 

位牌を祀るのに適さない場所

1.キッチンや洗面所

基本的にキッチンや洗面所、脱衣所などの湿気が多くなる場所は位牌が水気を吸ってダメージを受けるので適しません。

 

2.直射日光が当たる場所

時間の経過によって日光が当たるような場所は位牌が紫外線や熱によってダメージを負うので不向きです。

どうしても日光が当たる場所に置かなければいけない場合は、何かで位牌を囲って日光を防ぐか小さな仏壇を置いてその中に祀るようにしましょう。

 

位牌の処分方法

位牌は購入した仏壇店へ持っていっても処分できない場合がありますが、その場合は位牌や

お札はお寺へ持っていき「お焚き上げ」してもらいましょう。

 

「お焚き上げ」とは位牌を燃やして供養することですが、燃やし終わった後の灰は川や海に

撒いたりお墓の隅に埋めたりすることもあります。

 

位牌は破損させてしまった場合も新しい位牌を作った後でお焚き上げすれば問題ありません。

 

位牌は「修理」・「購入」・「処分」の際には閉眼供養と開眼供養を忘れないようにしてください。

 

分からない事や相談事がある場合には仏壇店やお寺の僧侶に相談するのが良いです。

 

最後に

ここでは位牌についての基礎知識や国産位牌の長所や魅力などを紹介しました。

 

「株式会社 日本の心」では高品質な位牌を数多く添えておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

お客様が満足するまでご要望に応え、ご満足いただけるご提案をお約束いたします。

 

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